糸かけ曼陀羅をご存じですか?

糸かけ曼陀羅は、木の板に小さな釘を打ち、糸をかけていくストリングアートの一種です。

ストリングアートでは、 幾何学模様のほかに、人物や動物、さまざな模様や文字なども制作されていて、糸のかけ方に特に決まりはありません。

決まりがないので自由に糸をかけてよいのですが、規則的に繰り返し糸をかけいくことで、バランスのよい美しい仕上がりになります。

ストリングアートのなかでも糸かけ曼陀羅は、数と規則性にフォーカスして糸をかけていきます。

糸かけ曼荼羅 64ピン

規則的にかけることで模様が浮かび上がってくる

糸かけ曼荼羅では、一定の規則性をもって糸をかけていきます。

たとえば、スタートの釘から11本目にかけたら、次はそのかけた釘から11本目にかけるというように等間隔でかけていきます。

すると、必ずすべての釘に一度ずつ糸がかかり、最後にはかけ始めたスタートの釘に戻ってきます。

この数を数え規則的にかけていくと、きれいな模様が浮かび上がる工程は、なんとも言えない不思議な感覚です。

私は子どもの頃に、よく遊んでいた「ぐるぐる定規」を思い出しました。

無心になることで得られる癒し効果

このように糸かけ曼荼羅の作り方はいたってシンプルですが、この数を数えることや糸をかけることには、ある程度の集中が必要になります。

糸をかけていると、この程よい集中のなかでしだいに無心になっていき、リラックスして心が落ち着いたり頭がスッキリしたりします。

無心になることで、癒しの効果をもたらしてくれるのですね。

それだけでなく、釘を打つときにも曲がらないように集中して打っていくのですが、リズムよく打っていると、自分のなかのネガティブな思いが抜けていくような感覚があります。

糸かけ曼荼羅づくりは瞑想のような効果があり、ストレスや不安の解消にはもってこいです!

無限に広がる糸かけ曼荼羅の世界

板の種類、板の大きさ、板の色、糸の種類、糸の太さ、糸の色、ピンの種類、ピンの数など組み合わせは無数にあって、それぞれ趣のあるまったく違う表情を見せます。

また円だけではなく、三角形、四角形、五角形、六角形、さらにはそれらの組み合わせなど、ピンの配置を変えることによって、デザインは無限に広がります。

想像力を働かせれば、世界にひとつだけのオリジナルアート作品を作ることができます。

曼荼羅とは仏の悟りの境地

ところで、「糸かけ曼荼羅」の「曼荼羅」とはなんでしょう? 

ということでちょっと豆知識。

「曼荼羅」とは、お寺などで見かける仏様がいっぱい描かれている絵のことで、サンスクリット語のマンダラmandalaの音訳です。

仏教、特に密教の考え方、世界観、悟りの境地を図柄で示していて、諸尊の集まった姿が体系的、図式的、幾何学的に描かれているのが特徴です。

サンスクリット語のmandalaを直訳すると「丸い」という形容詞で、そこから欠けるものがない、完全・円満を表していたりするそうです。

また本質や神髄を表す ”マンダ” に所有を表す接尾語の ”ラ” が付いて「本質を有するもの」と言う意味になるとも言われています。ここで言う本質とは、悟りのことで「仏の悟りの境地」を表しているのですね。

瞑想のような感覚、効果をもたらしてくれる糸かけ曼荼羅は、「本質を有して悟りにつながる」という曼荼羅の意味に通じるものがあり、どなたが名付けたのかはわかりませんが、まさにぴったりのネーミングだと思っています。

シュタイナー教育と糸かけ曼荼羅

このように仏教由来の曼荼羅という言葉がついている糸かけ曼荼羅は、東洋発祥と思われがちですが、実はドイツのシュタイナー教育が始まりだと言われています。

シュタイナー教育とは、オーストリア生まれの哲学者であり、神秘思想家であり、教育者でもあるルドルフ・シュタイナー(1861~1925)が提唱した教育です。

この教育のなかでは数を思考だけで学ぶのではなく、身体(手先)の感覚を使って学んでいきます。

そこで糸かけ曼荼羅を使って、糸をかけながら足し算、掛け算、素数などを学んでいるのですね。

子どもたちは遊び感覚で楽しく学べるので、理解が一層深まるというメリットがあるそうです。

もともと子どもの学習法なので、糸かけ曼荼羅の作り方はいたってシンプルです。

子どもから高齢者まで無理なく楽しむことができるようになっています。

実際に作ってみたいと思われた方は「糸倶楽部きらら」のページもご覧ください